SF恋愛ADV『ISLAND』紹介(ネタバレ無し)
Switch版『ISLAND』をクリアしたので紹介記事を書きました。
オリジナルはPCゲームメーカーのFrontWingから発売された作品であり、コンシューマー版としてvita・PS4、そして今春にSwitch版がプロトタイプから発売。
プレイ時間は20~30時間。
主人公の男が見知らぬ島の海辺で目を覚ました所から物語はスタート。
自分の名前や出生については全く思い出せないが、未来からこの島にやってきた事、記憶の残滓にあった「りんね」という少女の名前、また「『切那』を殺す使命」が頭から離れなかった。
そこで夏には似合わない長袖の少女と出会い、「三千界切那」という名前を与えられた。そしてその少女の名前は「御原凜音(おはらりんね)」と言う。
本土の人間を毛嫌いする島の権力者、島に古くから伝わる伝承、日光に曝されると死まで進行してしまう「煤紋病(ばいもんびょう)」など、独自の文化や病がある離島が舞台。島の人物には切那のタイムトラベルを信じる者や、相対性理論などに詳しい者がおり、SFならではの議論がしばしば行われます。SFと一口に言っても色々なジャンルが存在しますが、世界観や広大なスケールが共通する魅力として挙げられますね。ノベルゲームでも十二分にSF要素を楽しめます。
物語の途中では、御原家の書庫にて見つかった「切那は死ななければならない」というメモ書き、「世界には秘密がある」という言伝、「ISLAND」と薄れた文字で書かれたCDなど、非常に意味深な要素がふんだんに登場します。そもそも主人公は何者なのか、タイムトラベルは出来るのか、などの魅力的な謎が多いのは本作の一押しポイントです。SFでありながらミステリ的な見方も出来ます。
メインヒロインの凜音ルートは勿論、それ以外のルートも恋物語として楽しい。情緒を動かされる展開が多いです。
不思議だなと思った所や、違和感を覚えた所は是非メモやスクリーンショットで残しながら進めてもらえるとより楽しめると思います。物語後半の謎の解決が鮮やかだったり伏線回収が素晴らしいです。2週目をすぐに開始したくなる程、伏線やヒントが散りばめられています。総じて、テキストのクオリティが非常に高い印象を受けました。
最後に、攻略自体は”真エンド”以外は非常に簡単なので是非攻略サイトは真エンド以外では封印してプレイしてもらいたいです。ネタバレ要素が多いので、なるべく情報を遮断してのプレイ推奨です。
夏にぴったりな、離島での不思議な物語。オススメです。